『まだ時間が足りぬと言いながら、俺はただ結果を突きつけられるのを恐れ、逃げ廻っていたに過ぎなかった。何物にも邪魔されない甘い夢を見続けていたいがために、いつ果てるとも知れない助走を続けて、結局俺は自分で自分を損なったのだ。』
森見登美彦新釈 走れメロス 他四篇」より)