『「ハイアールはほかより高いけど、ほかよりも品質がいいとは限らない。今のカラーテレビ、エアコン、冷蔵庫はどこも同じようなものだよ。なのに、どうしてハイアール製品を買うの?」と馬雲は不思議がると、母親はこう言った。
「家まで来てエアコンを点けてくれる上に、布まで持ってきてそのあたりを拭いてくれるのよ」
馬雲は悟った。「布を持っていくだけで10%高く売れる。布が拭くのは床板や電気製品じゃなくて、客の心だ」と。彼はその後社員に、「われわれは一枚の布を使って一元多く稼ぎましょう。インターネット企業はどこでもあれこれと知恵を絞り客から金を稼ごうとしていますが、われわれは知恵を絞って客から稼ぐのではなく、知恵を絞って客の成功を助けましょう。これがわれわれの出発点です」と言った。』
(張剛「アリババ帝国」より)