「ひかりをすくう」を読む。

ひかりをすくう。
本屋の棚にこの言葉を見つけたとき、それが僕の中にすっと入り込んできた。これまで何百冊と本を読んできたが、その中でも5本の指に入る素晴らしいタイトル。読み終えたあと、もう一度表紙に書いてあるこの言葉を味わった。この言葉はしばらく僕を捕らえて離さずに、ずっとずっと僕のそばにいた。そっと寄り添うみたいに。
仕事をがんばりすぎて自分を知らず知らずのうちに追い詰めて心を病んでしまった女性が、仕事をやめ同居人と一緒に田舎暮らしを始める。そしてなんでもないありふれた日常をおくっていくうちに、少しずつ自分を取り戻していく。ひとつひとつ、ひかりをすくうように。

ひかりをすくう

ひかりをすくう