「幸福な食卓」を読む。

とにかく出だしの一行目がうまい。いきなり物語に引き込まれる。

「父さんは今日で父さんをやめようと思う」

グッバイマイラブ、グッバイマイスウィートデイ、グッバイマイハッピーデイズ……。
ここ三日、ずっと続いている直ちゃんの歌は、辛気くさくてとても聞いていられない。

直ちゃんが目覚めた。いつから眠っていたのかは不明だけど、長い眠りからようやく目を覚ました。小林ヨシコは本物の救世主だったのだ。

最後の一遍を電車に乗りながら読んでいたのだが、ぐぐっと涙がこみあげるのがわかって、あわてて本を閉じた。家に帰ってすぐに続きを読んだら、やっぱり涙が出てきた。
家族ってなんだかいいなって思って、たまには実家に顔を出してみようかななんて思ったりした。

幸福な食卓

幸福な食卓