終わり。

好きな人と別れた。付き合ってもいないのに。でもふられたというよりも、別れたという言葉がしっくりくる。

僕が好きだと伝えた日から、ずっとそのことを意識していたと好きな人は言った。いつからか気持ちが揺れるようになって、好きかもと思い始めたと。でも、そういう気持ちになったとき、近づいていっても僕はスカすばかりで相手にしない態度をとられ、傷ついていたと。

僕はそんな好きな人の気持ちの変化にはまったく気づかず、なるべく好きだという気持ちを抑え込もうとしていて、少し好きな人が好意を寄せる仕草をしても、勘違いしてはいけないと、意識的に気づかないフリをしていた。

お互いに好きな気持ちを持っていたのに、完全にすれ違ってしまっていた。そして、好きな人からの本当の気持ちが書かれた長い長いメールが届いた。そのメールで僕が好きな人の気持ちを知ったときには、もう遅かった。僕は好きな人を傷つけ続けていて、好きな人はもう散々傷ついて心が離れてしまっていたのだ。

昨日の夜、寒い中、街を延々と歩きながら僕の気持ちを好きな人に話し続けた。でも、好きな人は僕の気持ちを受け入れてくれなかった。どうしようもなかった。

別れ際、横断歩道の向こう側でうつむいてぽつんと立っていた好きな人の姿が小さく、すごく遠く見えて、悲しかった。