どえらいもの。
本を読んだり、映画を見たりしていると、ときどき自分の想像の域をはるかに超えたような、どえらいものに出くわすことがある。
たいていのものは、もちろん今の自分には作ることはできないが、自分の能力をめいっぱい伸ばしていったり大きくしていったりすれば、何十年かかるか何百年かかるかはわからないが、いつかは到達できそうな気がするのだが、そういうどえらいもんは自分の想像力のベクトルから大きく離れたあさっての方向にあって、どう自分の頭の中をほじくり返してもそれは絶対に作れそうもないと思う。
高野文子の「棒がいっぽん (Mag comics)」の中の「奥村さんのお茄子」とか、湯浅政明監督の「マインド・ゲーム [DVD]」のラストの鯨からの脱出シーンとか。
こういうどえらいものを作る人が本当の天才なのだろうと思う。まともな感覚の持ち主だったら、あんなもの絶対に作れない。
僕は本当にすごいものは"普通"の顔をして隠れているという風に思っているのだが、こういう"どえらい"顔をしているすごいものを見たりすると、やっぱり僕の想像力では計り知れないなと思うのだ。
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