「渋谷ではたらく社長の告白」を読む。

最近ちょっとやる気が減退気味なので、やる気を取り戻すために起業家本を読もうと思い、サイバーエージェントの社長の書いた「渋谷ではたらく社長の告白」を読む。
面白く一気に読み、やる気は出たが、この人のことは同じビジネスマンとして信用できないなと感じた。
それはこの人がこの本で懺悔(?)っぽく書いている創業の時に恩人と親友を裏切ったくだりでもなければ、まだ商品ができる前に営業してしまい受注したあとに駆け込みで商品を作ったくだりでもなく、さらっと書き流しているくだり。初めての自社商品「サイバークリック」を立ち上げの際、それまで代理店として契約していたバリュークリックのアイデアを丸パクリし、それまでバリュークリックを売っていたお客さんにそのまま自社の新商品(といっても前と同じサービス)を売るのだ。
これはビジネスマンとして、してはいけないことだと思う。丸パクリはまあいい。アイデアなんてパクりパクられるものだ。でも、それを同じお客さんに売ってしまうのは「なし」だ。それは仁義に反するよ。法に触れないとしても、ビジネスマンとしての最低限のルールは守らなくてはいけない。そうしなければ社会からの信用を失う。
この本の中に何度も「ソニーやホンダのような社会に大きな影響を与える『21世紀を代表する会社』をつくりたい」という言葉が出てくるが、いくら良い収益を上げようとも、このようなビジネスにおける倫理観を持っていない行いをする会社には無理だと思う。少なくとも僕はこのエピソードひとつで、この会社は信用できないので一緒に仕事はしたくないと感じた。

渋谷ではたらく社長の告白

渋谷ではたらく社長の告白