「カチッ」「サー」を考えたよ。

朝起きたらBSでやっていた『40歳のベースボールキッド』という、今年巨人から中日に移籍した川相選手のドキュメンタリーを観た。
御存知の通り、川相選手は犠打の世界記録保持者といういたって地味な選手で、スタメンで出場して華々しい活躍をする選手などではなく、今年もピンチバント(代打に出て送りバントすること)と守備固めが彼の仕事だった。でも彼はその表に見える役割の裏で、若手選手に心理的な面でのアドバイスを送り、相手投手攻略のためのメモを取り、いつでも出場できるようベンチの中で試合に参加していた。また、バントの練習ひとつをとっても、一球一球さまざまな場面をイメージしてバントを繰り返すなど、多くの経験と緻密な思考に裏付けられた彼の野球への取り組みにはうならされた。
一流選手の素質を持ったとはいえない彼が20年以上もプロの世界で生きてこれ、また世界記録を樹立するような選手になれたのも、常に考えることを怠らなかったからだと思う。自分のことをかえりみると、そこそこ長い間生きてきて、何も考えずに「カチッ」とスイッチを入れたら「サー」と自動的に動くというような条件反射で行動してしまうことが多くなり、自分の頭でいちいち考えて動くことが少なくなってしまっている。「カチッ」「サー」は楽だけど、考えることを怠ったら川相選手のように長くは活躍することはできないな。
自分に刺激を与えて、「カチッ」「サー」からサヨナラしよっと。